何年も前から、ラビットでしまなみ海道へ行きたいと思っていた。
125ccの原付は自転車とほぼ同じ区間を走行でき、見どころも多い。
仕事が一段落し、本格的に暑くなる前に、奥さんとタンデムでやっておくことにした。
考えるよりも実行が大事。
ハイエースにラビットを載せ、土曜日朝6時半に自宅を出発し、9時に向島へ到着。
向島運動公園の駐車場をお借りする。

ここはしまなみサイクリング利用者も使うことができる駐車場。
まずは今日の目的地、島のサイダー屋さんの後藤鉱泉さんへ。

自転車で何度も前を通っているのに、寄るのは初めて。



店主が丁寧に商品を説明してくれる。
私は定番商品のマルゴサイダー、奥さんは怪獣レモンレモンサイダー、
子供たちのお土産にジンジャーエールを購入。

良く冷えてるので店内で飲み干す。

店内はいろいろなグッズであふれている。
私もステッカーを購入した。
ボードにはツーリングクラブなどのステッカーが貼られている。


色々なステッカーが眺められて楽しい。カブ系が多いのもしまなみの特徴か。
では本格的に出発。チャリンコと同じルートで南を目指す。
60年前のスクーターであっても、さすが原動機付き自転車。全くしんどくない。
橋上に上がる坂道も楽勝で登り、因島を通過。

時速40キロ程度でゆっくり走る。それでも自転車より早いので、
景色の変化も早い。
1時間弱で大三島に到着。
道の駅のレストランが混む前に昼食にする。

刺身と天ぷらがついた来島定食を注文。


新鮮な刺身と、甘めの味噌汁がおいしかった。
食事後大三島を出て、海にいる魚を眺めながら進む。



伯方島、大島を経由し四国今治に入った。
自転車の時は、来島海峡大橋を渡ったサンライズ糸山で折り返すので、
今治まで走るのは初めてである。
海岸沿いを走り、飲み屋街の連なるかつての中心部だったと思しきゾーンに入ると、
見たかった建築が見えてきた。

1919年建築の旧今治ラジウム温泉。登録有形文化財。

何年も前から見たいと思っていた建物である。
非常に感激、すごい建物。こんなものが残っているとは、さすが四国だ。


風呂屋さんは2014年ごろに閉館、
内部はまれに公開される機会があるようだが、当然ながら閉鎖中。
ぜひともドーム天井や3階部分の張り出しなどを見てみたかった。
東側に回ると浴室のドームが良く見える。

見学していると近くのおばちゃんが出てきて、「屋上の崩壊が始まっているので、怖いのよ」とのこと。
煙突周辺の塔屋付近が壊れているようだ。

この壊れ方は結構やばそう・・・今後の処遇が心配である。
さて、今治に着いたのでちょっとお茶にする。
グーグルマップでブックマークしている、
BARELL COFFEE RASTERさんへ

今治駅からフェリーターミナルに至る巨大アーケードの中にあった。

しまなみ海道が開通する以前はメインの通りだった模様。
おしゃれな店内で、商店街を行く人を見ながら熱々の薫り高いコーヒーをいただく。

お茶した後は付近の散策。今治市内は初めての訪問だ。
奥さんが、「あんなんあるで」と言っている。路地の向こうに何かあるようだ。


おおーっ!これは渋いぞ。

斜めの水路橋の向こうにレトロな美容院建築。
外壁はモルタルでパーマネントのロゴと、女性の横顔・・・


もう、タマラン、昭和感爆裂・激渋テイスト炸裂・・・
前面ファサードにも出光アポロのような横顔あり。



正面は木建の正方形窓15個。

丸窓には十字の格子。

玄関もキッチュでいいなあ。


この縦防2本と型ガラスが素晴らしい。
もちろん営業はされていない。
家人の居住も不明。雰囲気的に空き家っぽい。
裏は普通の木造2階の日本建築、
しかし正方形窓のある正面側は吹き抜けでないかと思う。
国土地理院の昭和40年航空写真にはばっちり写っている。
昭和22年の航空写真は不明瞭でわからず。戦災で焼けた地域のようだ。
以上より昭和30年代の建築と思われる。
なお、帰宅後に古いストビューで確認すると、水路には何本も自作橋?っぽいのがかかっている。
↓現在

↓過去

↓拡大

なんと…手前の橋は木造橋。しかも屋根付き。マディソン郡の橋?奥には鉄骨トラス橋が見える。すべてすでに撤去済。
向かいの喫茶ボンは絶賛営業中。


ここも非常に気になるところである。
ラビットを押しながら商店街を海側まで行くと、フェリー乗り場に着いた。
建築家巨匠の原広司氏設計の船を模したみなと交流センター。かっこええ。

引き続き市内路地をラビットでうろうろし、ポイントを見つけてはすかさず激写する。
水路添いは重点確認ポイント。

これは旅館跡。

渋い銭湯跡。


全体的に昭和40年代風味が強い町だ。
来る途中に気になったパン屋に寄ってみる。
パンと洋菓子のフランス屋さん。


入った途端、「こ・・・これはすごいぞ。国宝級でわ?」



内部がモロに昭和42年のまま。
このモザイクタイルのショーケースといい、レジスターと言い、コーラの冷蔵庫といい、素晴らしすぎる・・・


特に、ガラスのショーケースがピカピカに磨かれ、
店内が機器も含めて非常に綺麗に保たれており、
日活映画で裕次郎と浅丘ルリ子が立ち寄る洋菓子店のよう。
商品はドーナツ(90円!)と食パンのみだった。
ドーナツ2個を購入し、奥さんとしばしお話する。
「古くて珍しいから写真撮る人多いわ」とのこと。
そりゃそうだ。私も好きで古い町を散々巡っているが、これだけの案件はなかなかない。
100点満点で99点。もしショーケースにパンやケーキがいっぱいなら、卒倒レベルだ。
あとでウェブで知ったが、店は60年ほど前からあり、
一緒に経営していた旦那さんがなくなってから奥さん一人で続けているそう。
次は絶対に食パンを買いたい。
なお、帰宅後にドーナツを食べると、しっかりした固さのドーナツでいかにも懐かしい感じ。

もちろんおいしくいただいた。
ラジウム温泉、パーマネント、そして昭和40年代のままのパン屋さん。
素晴らしすぎるレトロ建築の感激に頭がぼーっとしながら、今治市役所に着いた。
ここも巨匠丹下健三先生の設計である。



解説パネルによると、丹下さんは今治ご出身のよう。
RCとスチールサッシ、コンクリートはつり出しがめちゃめちゃかっこいい。
本庁舎の外壁が真北と並行になるよう角度がついているのも個性的。
1950年代モダニズム建築の代表例。
結構うろうろしたので、気づくと15時になっていた。そろそろ帰らないと、遅くなりすぎる。
いったん今治駅に行き、休憩してから戻ることにする。

駅構内の食堂メニューを見ていたら、どうしても鯛めしが食べたくなり購入。



駅前のベンチに座り、奥さんはビール、私はのんあるで乾杯。


鯛めしうまい、四国に来たことを実感しながら速攻で食べてしまう。
さて帰ろう。ラビットに乗り、予讃線に沿って走りしまなみ街道に入る。
記念にTシャツが欲しかったので、道の駅に寄りながら帰る。
伯方島にも立ち寄り、奥さんがレモンソフトを購入。

海辺でソフトを食べる。

しまなみロゴの前でも撮影。

結局Tシャツはほしいのがなく買えなかった。次回の課題。
ここからひたすら走る。因島に入るころには日が陰ってきた。
どうしても見ておきたい場所があるので、ちょっと寄り道に。
土生港のフェリー乗り場に到着。


切符売り場の奥にあるこのゾーン。

ここの飲み屋に行きたいんですよ。


おでん京子さん。
この無機質なビルの中のオアシスが無性にオッサン心を揺さぶる。
今日は運転だし帰らないといけないので、場所の確認だけにきた。

うーん、実にいい雰囲気、船着き場の飲み屋なんて、高倉健が飲んでてもおかしくないな。現地確認ができたのでよかった。そのうち奥さん連れて泊まりで飲みに来よう。
帰りは因島の路地をゆっくり流す。


この町も渋いなあ。しかし、見かける人の7割は外国人の方。
向島を北上するころ、とうとう日が暮れてきた。


海辺にラビットを停め、今日1日を反芻。

今日も個性的な建築を存分に見れてよかった。
暮れきる前にハイエースに帰還。

すぐに車載し、準備完了。


帰りは尾道でラーメンを食べて帰る。
市街の西にあるあかとびさん。


カウンターだけの店で、少し待って入店。
私はネギラーメンにした。700円でずいぶん安い。

ラーメンはネギたっぷりで背油の入った尾道ラーメン。甘めのスープで大変おいしかった。
あとは帰るだけ。
山陽道に乗り、流れに乗ってひたすら東へ走行。
自宅には23時に到着。
ラビットを積んだままだと車内がガソリン臭くなるので、すぐに下ろしておく。
とうとう念願のラビットしまなみが叶った。
そもそもハイエースはこの用途のために買ったので、本来の使い方である。
今までは子供が小さかったので行けなかったが、今後はいろいろ古い町に行ってみたい。
今日のルート図。

今治市内拡大。

引き続き古い町のチャリまたはラビット旅を続けたい。もっとハイエースも活用しないと。
以下、自分用メモ
高速代 姫路西→福山西 2,660円×2
ガソリン代 320km/10km=32l 32l×160円=5,120円
しまなみ海道通行料 計1,000円ぐらい
すれ違ったおりたたぶの台数 計20台程度
うち、ブロンプトン12台
ダホンK3 1台
tern verge N8 1台
tern link 1台
ダホンミュー 1台 など