姫路城西にあるビル群1階の喫茶コスモスに先日お邪魔しました。
このビル群は、昭和30年代後半に国道2号を拡幅するために、市街地再開発事業(当時は市街地改造事業といったようだ)で建築されたビル群です。

いつも前を通るたびに「迫力あるビル群やな」と思っていましたが、この度コスモスさんを訪問したことから、このビル群に興味がわいてきました。

昭和40年頃に設計建築されたものですが、なかなかインパクトがあるんですよ。存在感がすごいというか、当時のサイケでシュールな感じのデザインがかっこいいんです。確か以前どなたかのHPで姫路モノレール延伸を想定して建築している・・・とありましたので、いろいろ調査してみました。





①琴丘ビル
昭和41年築 設計者未調査

再開発事業で最初に着工したビル。特段変哲のない昭和40年代デザインですが、連窓のスチールサッシがズラーっと続く様は圧巻です。

1階2階は店舗と事務所、3階以上は共同住宅のようです。上がってみたかったけど、興味本位でいくのは申し訳ないので、外観から眺めました。

②船丘ビル
昭和42年築 設計者未調査


7棟のうちで最もデザインが凝っています。高架水槽のルーバーや階段手すりに設計者のこだわりを感じる。

ササラ桁のような手すり子がシュールです。



2階にはテレビスタジオ?

建築時の写真。

③日新ビル
昭和43年築 設計者未調査

こちらはかなりおとなしめのデザイン。庇の山形でっぱりと階段室手すりの角形グラサンが特徴です。

④元町西ビル
昭和43年築 池田宮彦設計事務所

日新ビルとデザインが似ています。この2棟は同じ設計者かもしれませんね。
なお、ウェブで平面図を発見しました。

⑤元町東ビル
昭和43年築 設計者未調査

喫茶コスモスの入る棟です。こちらも2階までは店舗、事務所。

この建物も、長い。ずーと続く感じがいい!

⑥船場西ビル
昭和45年築
設計 姫路市建築課(官庁営繕の自主設計!)

姫路市営繕直営設計の7階建てビルです。1~2階は店舗事務所、3階はスロープ付きの自走式駐車場があるようです。



古いビルですが殺伐感はなく、1階には店舗が多数入っています。妻面のロゴがいいですねえ。

⑦船場東ビル
昭和47年築
設計 東畑建築事務所


最後に建築された最も新しいビルです。といっても築53年経過してますね。
何気にモダンシュール。
こちらも3階に駐車場を設けています。



竣工時のパンフでしょうか?

設計は東畑事務所。関係ないけど東畑さんは私の勤める会社社屋も設計してはります(^^♪
とにかく、これらのビル群は規模が大きく、距離が長い建物があるので見ごたえがあります。そして、どこかに似ていると思っていたら、90年代に何度も通った長崎県の軍艦島を連想させるなあと思いました。もちろんここは廃墟ではありませんが、ビルの迫力なのか、建物の造りというか、しつらえというか、雰囲気が似ていますね。
姫路モノレールの駅を想定して作られた件については、過去に市長の発言もあったようですが、国会図書館の文献で再開発の資料を調べる限りそのような記述はありませんでした。また、建物の構造的にも後年に軌道を通すような設計でないと思います。さらにモノレールを建設するなら都市計画決定もされると思うので、あったとしても市の構想どまりだったのかなと思います。
ついでに夜景シリーズ







いいですねー。現役の建物に煌々と明かりがついています。
これらビル群は、何気に迫力あるレトロスポットです。姫路城観光のついでにいかがですか?