岡山県のJR津山線は、県庁所在地である岡山市と県北部にある城下町の津山市を結ぶ非電化単線、延長58.7kmのローカル線です。
一級河川旭川に沿っており、小原駅(海抜184m)を峠にして津山に至ります。
5月最後の土曜日に、津山線に沿って、古いもの怪しいものを探すサイクリングに出かけてきました。
津山線の分水嶺を一つ越えた亀甲駅まで輪行し、そこから津山線に沿って岡山を目指すコースです。
土曜の深夜1:30に目が覚め、寝たままルートを考えていると、クシャミが5連発で出て、横で寝ていた奥さんが「うっさいんじゃオッサン、はよ行かんかいや!!(まじです)」と温かい見送りをしてくれたので、そそくさと用意をして出ます。
3:15 津山線始発列車に乗りたいので、逆算して自宅を出発。
深夜の加古川を渡ります。
5:00 山陽道を経由し、岡山駅近くのコインパーキングに到着。
過去のサイクリング時に使用したパーキングです。
九州に行くときは朝4時半に変なばあさんにからまれてややこしかった。懲りずに再び利用(;^_^A 今朝は誰もいませんでした。
結構いるんですね。
6:00 津山線始発列車に乗ります。(これは吉備線の列車、津山線は9番線)
津山線は首都圏色キハ40 2036とキハ47 1038の2両編成。
土曜朝なので、車内は空いていました。
彼女らも活躍が長いですね。昭和54年デビューだから、間もなく半世紀に至ります。
デビュー時は旧型客車や黒貨車、キハ10系などとも共に働いたローカル線黄金時代の最後の生き証人です。
この駅は海抜141mです。
亀甲は20年前に来たことがあります。町並みを再度見たかったので、この駅で降り立ちました。
気温は16度ぐらい?南向きの風が強く、ちょっと寒い。
ユニクロのウルトラライトジャケットを着こんで、街の北端から出発。
三菱ミニキャブが放置されています。そんなに珍しくはない。
津山線沿線はいまいち分水嶺がわかりにくい。小原周辺に峠があるわけでなく、なんとなく頂上を超えています。盆地のような箇所で分かれている感じですかね。
小原駅までは登り勾配です。全然何ともなく攻略。
いいですねーこういう企画。国鉄時代を髣髴させます。
S字に蛇行する津山線が旅情を盛り上げます。
旧津山街道を走ります。車は全く来ないので安全快適。
大きな池の水路を渡る橋は89年前のもの。
欄干の模様がおしゃれ。
こちらにも古い橋が残っています。
誕生寺の町に出ました。角のお店はカフェになったようです。
朝早いのでまだ開店前。奥の橋がレトロでいいんですよ。
誕生寺駅は立派な駅舎に建て替えられたようです。
新堀ギターの看板を眺めながらひたすら下ります。奥は金鳥の看板がはがされているな。
すべて下り&強風の追い風(風速5m)で、ほとんど漕がずに進みます。
これは運動にならんなあ。
楽なんだけど、風がごーっというのと、木がざわざわ竹林はコンコン、空き家のトタンがバランバランを音を立てて、落ち着いた感じではないなあ。
国道53号沿いに喫茶店を発見。
朝食を食べてないので入ることにします。
店内は静かな音楽が流れていい雰囲気。
優しい奥さんにモーニングを注文しました。なかなか立派なモーニングです。
これで500円!安い。
サラダはハムとポテサラも乗っています。
アツアツコーヒーと焼きたてパンでおいしいモーニングをいただきました。
喫茶ウインナーさん、こじんまりして落ち着いた良い店でした。
勝手に進むチャリに身を任せ、弓削の町に入ります。
サンバーの奥にあるこの店の生存を確認したかった。
左書きで「優良百貨 群屋商店」戦前の建物ですね。
昭和の弓削の人たちが買い物に立ち寄る姿が想像できます。
ここは交差点になっており、店の横に南東へ抜ける道路があります。
商店は道路を挟んで渡り廊下で同一棟になっています。
おそらく公道でしょうが、道路上空に木製渡り廊下って珍しいです。
温泉旅館みたいで楽しい。
昭和22年の航空写真にこの渡り廊下も写っているので、
新築時からあるようですね。
店のガラスにある宅急便ステッカー、昭和60年ごろか?誰ですかね?
ちなみに2008年に撮影したときは、まだ現役でした。
左の扉が開いているので、まだ商売をしていたようです。
ジュースでも買えばよかったな。
弓削駅は古い駅舎が残っています。
旧道を走って進みます。
国道53号は、どうやら戦時中に道路改良されたようで、昭和10年代に2車線道路が整備されたようです。戦争の関係かもしれません。
津山線の築堤をアーチのトンネルで抜けていきます。
一旦国道53号に戻り、有名な廃墟案件を確認。
この看板の月の部分にはコイン状の金色のパーツがぶら下げられており、
風で揺れると波のように光ります。
渋い!、超昭和!!
この建物も放置されて長いです。
飲食店部は城をモデルにした建物です。2003年にも同じ状態でした。
次の駅、神目周辺です。ミツカン酢の看板発見。
ストビューでは駅前雑貨店にペプシやコーラの看板が写ってたので、
確認するとすでに解体済でした。
再び53号。われらが富士重工のロビンの看板。
旧道区間を進みます。1台も車が来ない。
風の音しかしません。
何度か津山線とクロスします。
築造125年目の橋台。道路橋の橋台がアールになってるのは珍しい。
こちらの橋も欄干が美しい。
ダイヤ学生服の看板がある衣料品店?
商品らしきものは陳列されているが、営業している気配がない。
ストビューで見ても数年前から店内の様子が変わらない。ある日を境にそのまま放置されている感じ。
・・・人口減少社会を直に感じますな。
福渡の町に入ります。
フジハップの看板はブリキ製かな?
あたりやの種の看板もあります。
キハ120とキハ40復刻一般色の列車交換を眺めておきましょう。
駅前には古色蒼然たるタクシー営業所。
行灯が渋い。夜に照明が灯るのを見たい。
こちらは映画館跡。
撮影していると偶然家の方が出てきたので、お話ししました。
奥さんによると、嫁に来た時にはすでに営業しておらず、しかももう建物も古かったとのこと。館内がどうなってるのか気になりますが、おそらくがらんどうです。
昭和22年の航空写真に写っているので、戦前建築のようです。
この長屋も立派ですねえ。
町はずれの津山線アーチ。
片側は道路、もう一方は単なる草地です。
なんでしょう?水路跡でもないようだし。
旭川の河川敷に出て、人道橋で西へ渡ります。
暑くもなく風が気持ちいい。
建部の町に入りました。
1900年の開業時から変わらない建部駅。
私の好きな駅ベスト10に入る実に味わいのある駅です。
撮影していたら、キハ40の快速が大迫力でぶっ飛んでいきました。
キハ40が本気を出したらものすごく速い。
11:00 そろそろ昼飯です。しかし今朝からなんか腹が気持ち悪い。
食べたいような、そうでもないような・・・
向こうに見えるドライブイン旭川も立ち寄りスポットだけど、
とりあえずこのまま進むか。
風がきついものの湿度は低くさわやかです。
旭川に沿った旧道をひたすら南下。
腹が気持ち悪いのに、途中コーラで水分補給します。
普段はコーラなど飲みません。体力消耗時だけです。
人家が見えないゾーンをのんびりと進みます。
この先幅員1.7mらしい。ちゃりなので関係なし。
1.7mの現場を見たいけど、ここで川を渡ります。
沈下橋です。普段は鉄筋製の手すりもないらしい。
風がきついのでダチョウ倶楽部にならぬよう緊張感で渡ります。
西側の道路も車が少なくて走りやすい。
トンネルあります。
抜けようとしたら両足が攣った!
ふとももの上側から膝までの筋肉が緊張している!
水分とるのが少なかったからかなあ。
適当に水分を飲まないといけませんね。
まあ、基本くだりなんでだらだらしながら進みました。
某車中泊系youtuberの撮影現場を横目に通過。
玉柏地区に入りました。
水路に石柱が2本出っ張ってます。
しかもかなりの数があります。用途がよくわからない。
煉瓦製の油庫?
これも相当古そう。水路に下りる階段に隣接して立っています。
再び突き出る石柱。
どうやらこれは高瀬舟を載せるためのもののようですね。
津山線が開業するまでは高瀬舟が主要な交通でした。
この水路は旭川につながっているので、かつての舟運の要所だったようです。
岡山の市街が近づいてきました。喫茶チルはもうやってません。
学生街の法界院付近は若者が多く活気があります。
12:30 ハイエースの駐車場に到着。予定では11時半ごろと思っていたので、かなり時間がかかりました。ちょっと寄り道して奉還町商店街に行きます。
ここで昼飯を食べよう。
と、予定していた店に着いたら、今日は休みでした・・・
ということで、腹の調子もいまいちなのでとりあえず帰ります。
ハイエースにternを積みこみ、山陽道で帰宅。
自宅には14:30に着きました。
暑くなる前の最後のサイクリングは、下り坂と追い風でひたすら楽でした。
ただ、水分補給を定期にしないと、足が両側攣るということがわかりました。
今後は水筒を持参し、マメに給水することにします。
真夏までにもう1回どこかへ行けるかな?
自分用メモ
高速代 姫路西ー山陽 1,250円
駐車代 1,000円
JR運賃 岡山ー亀甲 990円
喫茶ウインナーでモーニング 500円
缶コーラ 150円
高速代 岡山ー姫路西 1,550円
ハイエースガソリン代 250km÷10km/l×@165円=4,125円
計 8,565円