播電鉄道は、兵庫県の網干港か国鉄網干駅を経由し、竜野、そして新宮まで至っていた標準軌の路面電車で、戦前早々に廃止された路線です。
過去のサイクリングでも痕跡を訪ねています。
兵庫県内では比較的大規模な私鉄でしたが、廃止がとにかく古く、田舎の路面電車であるため痕跡がほとんど残っていません。
ちょうど竜野市の資料館「霞城館」で播電の特別展があったので、見学してきました。
展示物は初めて見る写真等があり非常に興味深いモノでした。
その中で、路線の詳細図面が特に目を引きました。
この資料を基に、以前現地で確認した石垣が播電のものか検証したいと思います。
播電鉄道の橋台跡?
JR網干駅北にある水路敷です。
近年まで水路上に立っていた家屋が撤去され、水路が露出しています。
この東側側壁に、橋台のようなものがあります。(水路の左側手前部分)
こちらは北を見ています。水路右手、奥の道路に突き当たる手前部分。
長石が置かれている部分。
なお、西側は単なる石積みです。
2023年12月に訪問した際、位置的に播電の橋台では?と思いましたが、対岸は単なる石垣で確証がありませんでした。もしそうなら未発表案件やな、と思っていた程度でした。
図面と照合してみた
件の播電特別展では、路線の詳細図が展示されています。
全路線の詳細な構造等が記載されており、大変興味深く拝見しました。
網干駅付近を凝視してみます。
拡大します。
図面標記が不明瞭な箇所もあり、断定できませんが、どうもこの位置に軌道があったように思えます。網干駅を出た軌道は西に進み、ちょうどこの位置で水路を渡って水路西側を北上しているように見えます。
この図面によると、この橋台は「第53号溝橋」で径間距離は八尺(約2.4m)となっています。
対岸の橋台がないのは、廃止後の家屋建築時に改修されたのでしょうか?2.4mというのも現地とあってる気がします。よって極めて播電の橋台可能性が高いと思います。
現地は水路改修工事が行われており、もしかしたらこの石垣も消え去るかもしれません。気になる方は早めの見学をお勧めします。
もし違ってたらすみませんが・・・・
この路線詳細図は、ほかにも見どころ多数で非常に面白いです。ほかにも何か所か検証しましたので、まとめたらアップします。