前回からの続き。トルコンオイルシール交換です。
外したフリーホイールをシゲシゲと眺めます。
なるほど、こうなってるんか。
全体が汚いので、どっから漏ってるのかはわからんなあ。
以下、手が油まみれなので写真がほとんどありません。
とりあえず汚い。クランクケース側は液体ガスケットを塗った形跡がある。
フリーホイールからオイルシールのとりつくプレートを外しますが、
液体ガスケットで張り付けているようで、なかなか外れない。
クランクケース側は、シャフト穴内に見える
本体とシールプレートの隙間をマイナスドライバーでこぜってやっと外れました。
クランクケース側は、万力とラチェットのコマ使用で
押し外ししました。
※いずれもぶっ壊す可能性があるのでお勧めできません。
パーツリストでは矢印の位置にガスケットが入ることになっています。
外したフリーホイールにこのガスケットはなく、
液体ガスケットが塗られているので、過去に一度ばらされたようです。
液体ガスケットのカスを綺麗に取り除きました。
ワンウェイクラッチのスプリングも外して点検します。
Nゲージのカプラースプリングのごとく、
はじいてどっかへ飛んでいかないよう特に注意。
この薄いシムみたいなんも曲げないよう取り付け。
総本山謹製のオイルシールを組み込んでフリーホイールを完成させ、
リップ面にオイルを塗ってクランクケースに取り付けました。
トルコン本体を車体に取り付けますが、ここからが難関らしいです。
要するに車体側とトルコン側に複数のくるくる動く切り欠きと、
クランクシャフトの半月キーのでっぱりがあり、
それらが全て完全に一致しないと、奥まできっちりはまらないそうです。
総本山HPでは、トルコン内部の切り欠きが動かないようボルトで固定する方法を
推奨していますが、私はトルコンを全バラして1個づつ嵌めました。
トルコンは22個のボルトで止まっているので全部外します。
トルコンのパーツを1個づつ嵌めていきます。
特に難しいことなし。はめるだけ。
最後にフィンのついた「お椀」を嵌めます。
お椀には2か所の出っ張りがあるので、
受ける側の穴位置を合わせてはめ込みます。
はめ込んだ結果、シャフトの出が明らかに少ない。難しいのはここですね。
もう一度トルコンを抜き取って、何度かゆっくり嵌めなおしたら
コツンという音と共に完全に嵌りました。
トルコン裏のボルトを全て締め、シャフトのテフロンパッキン、
Oリング、スペーサー、スプリングワッシャーを入れてナットを締めこみます。
トルコンオイルを注入し、入念なエア抜きをして試運転します。
特に問題なく加速もOK、1週間たった今でもオイル漏れは無いようです。
初めてトルコンを分解しましたが、意外と簡単でした。
普通の手持ち工具と、ギヤプーラーがあれば自分でできます。
これであと30年は持つでしょう。
次はロクマルのオイルシールも交換予定です。
しかし、こんなシンプルな機構だけで自在に変速でき、
それが1960年代に実用化されているとは、
富士重工の技術力に驚きです。